アフロディーテ(ヴィーナス)【愛と美と豊穣の女神、聖愛、俗愛、美しさ】

ギリシャ・ローマ神話

Aphrodite、Venus。オリュンポス十二神の1柱で、愛と美と豊穣の女神。天空神ウラノスの性器がその息子クロノス(サトゥルヌス)によって切り取られ、海に投げ込まれたときに泡(アプロス、aphros)が発生し、その中から誕生した。その後、「ホタテの貝殻」(実際には「シャコ貝」)に乗って地中海に浮かぶキプロス島にたどり着いた。成長後、その美しさを称賛し、ゼウスが養女として迎え、神々の仲間入りを果たす。

ギリシャ神話ローマ神話英語
アフロディーテウェヌスヴィーナス

愛の女神であるため、恋愛がらみのエピソードが数多くあり、西洋絵画のモチーフとしてよく使われる。また、聖愛(聖なる愛)や逆に俗愛(世俗的な、低俗な愛)のいずれの象徴としても描かれることがある。ルネサンス期には、純潔や潔白の象徴である聖母マリアと重ねられることもありました。

『ヴィーナスの誕生』(サンドロ・ボッティチェッリ/1483年頃)

夫はヘファイストスであるが、アレス(マルス)との浮気が発覚後、離婚。アレスとの間に息子エロス(クピド、アモル)がいる。

「金星」のことを英語で「Venus(ヴィーナス)」といい、アフロディーテ(ヴィーナス)に由来して名づけられたされる。「金星」は夜空でもひときわ明るく輝く惑星であることから、美の女神であるアフロディーテと関連付けられたとされる。 

手相においては、親指の付け根の盛り上がり(母指球)の部分を「金星丘」といい、親指から入ってきた「金星(ヴィーナス)」のエネルギーを蓄えているとされる。この「金星丘」が大きく盛り上がっているほうが、より「愛情表現」が豊かであると解釈する。「金星丘」がアフロディーテ(ヴィーナス)と結びついていることを考えると、これは単なる「優しさ」などという、ある意味で表面的な「愛情表現」ではなく、もっと深い、本当の愛のエネルギー、いわば「博愛主義(ひろく人類は愛し合うべきという思考)」傾向があると解釈してもいいだろう。「金星丘」に縦線と横線がたくさんクロスしている(焼き網のように見えることから「グリル」という)場合、「人一倍やさしい」と解釈するが、それは「愛をもって、困難を乗り越えてきた」からに他ならない。「金星丘」のグリルを持つのは、愛に関して苦労を経験しているからこそ、愛でそれを乗り越えることができることを知っているのである。

キーワード

愛と美と豊穣の女神、聖愛、俗愛、美しさ

関連するシンボル

バラ

海からアフロディーテ(ヴィーナス)が誕生した際、海の神により絶世の美女アフロディーテが生まれたので、対抗した陸の神が「わたしにも美しいものが生み出せる」と言ってバラを創り出したとされています。その美しさから、現在でも「アフロディーテの花」といわれています。

バラ

金色のリンゴ

パリスの審判(アフロディーテ、ヘラアテナが参加した最古の美人コンテスト)において、最も美しいひとへの贈り物として投げ込まれたのが、金色のリンゴです。判断を任されたトロイの王子パリスは、最終的に、アフロディーテに金色のリンゴを渡すことにしました。その後、金色のリンゴはアフロディーテの持ち物として、美の象徴となっています。下の絵では、金色のリンゴを持ち、バラで囲まれていることから、アフロディーテを描いたものであることがわかります。

『ウェヌス・ウェルティコルディア(心変わりを誘うヴィーナス)』(ダンテ・ガブリエル・ロセッティ/1864-68年)

金星

「金星」のことを英語で「Venus(ヴィーナス)」といい、「金星」は夜空でもひときわ明るく輝く惑星であることから、美の女神であるアフロディーテに由来して名づけられたとされる。

4月(April)

英語で「4月」は「April」だが、古代ローマにおける「Aprilis(アフロディーテに捧げる月)」が語源とされる。4月には多くの植物が花開くため、アフロディーテ(ヴィーナス)の豊穣の女神としてやってくる月だと考えられていたようだ。

ハクチョウ

ハクチョウは見た目が美しいため、アフロディーテ(ヴィーナス)の象徴とされた。アフロディーテがハクチョウやハクチョウが引く凱旋車に乗っていることもある。また、ゼウスがレダ(スパルタの国王テュンダレオスの后)を見初めた際、アフロディーテの協力を得て白鳥に化けることで、レダに近づいたというエピソードから、そのゼウスのハクチョウの姿が「はくちょう座」になったとされる説がある。 

ハト

古代ローマにおいて、ハトは平和や愛の象徴であったため、アフロディーテ(ヴィーナス)の象徴にもなった。愛や平和という穏やかな意味もあるが、一方で、色欲(性的な欲望)という意味で扱われることもある。

ハト

ローズクォーツ

バラ(ローズ)の名前がついたクリスタル。前述のように「バラ」は「アフロディーテの花」であるので、ローズクォーツも「アフロディーテの石」とされている。その美しい見た目はもちろん、「恋愛の石」として最も有名なパワーストーンとしても知られており、愛と美の女神アフロディーテ(ヴィーナス)にふさわしい石であるといえる。

ローズクォーツ

登場するオラクルカードデッキ

『GODDESS POWER ORACLE』 By Colette Baron-Reid

2 Aphrodite(アフロディーテ)【ロマンチックな恋】

このカードでは、キーワードが「ロマンチックな愛」ということで、愛の女神アフロディーテとして、メッセージを届けてくれます。おそらく、ロマンチックな愛情関係がはじまろうとしているのかもしれません。それは新しいパートナーシップが現れたり、あるいはこれまでの以上にパートナーとの愛情が深まるのかもしれません。いずれにしても、アフロディーテがやってきているときには、表面的な愛ではなく、深い愛を選択し、そしてそれをちゃんと表現をしていくことが求められています。愛してください!愛を表現してください!愛を選択すれば、周囲は愛で満ちていることに気がついていくでしょう。このアフロディーテのカードが引かれたときには、愛の選択肢を選ぶことこそ、今のあなたにとって一番重要なことなのです。

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