ゼウス(ユピテル)【最高神、リーダーシップ、広げていく】

ギリシャ・ローマ神話

Zeus(Jupiter)。神の権力と能力を体現する「神々の王」であり、人間にとっても最高神。全宇宙の支配者にして、全知全能の神ティターン神族の王クロノス(時・農耕の神)と、その妻レアの息子。兄にハデスポセイドン、姉にヘスティア、デメテル、ヘラがおり、その末っ子。

成長したのち、父クロノスとティターン神族を倒し(この戦いをティタノマキアという)、巨人族との戦い(ギガントマキア)に勝利したことで、世界の覇者となる。好色で数々の恋愛エピソードを持ち、あちこちでたくさんの子供を作る。天候を操り、宇宙を破壊できるほどのパワーを持つ雷霆を武器として、逆らう者には容赦なく罰を与える厳しい面もある。

ギリシャ神話ローマ神話英語
ゼウスユピテルジュピター

正妻はヘラだが、3番目の妻。ヘラとのあいだにはアレス、ヘファイストスがいる。また、最初の妻メティスとのあいだにアテナがいる。他にヘルメスディオニュソス、ペルセフォネ、アポロンアルテミスなど、子供はたくさん(詳細は各ページに記載)。泡から生まれたアフロディーテは養女にした。浮気性と聞くと「神様なのに!」とびっくりしてしまいそうになるが、実際には浮気性自体がゼウスの「広げていく」という性質そのものであり、それ自体がゼウスのはたらきであるといえる。

『巨人族の没落』(ジュリオ・ロマーノ/1532-1534年)

太陽系の惑星のなかで最も明るく、大きく見える星である「木星」の名前は、この「ゼウス」に因んで「ジュピター」と呼ばれる。

また、手相においては人差し指の付け根の盛り上がりを「木星丘」といい、人差し指から入ってきた木星のエネルギーを蓄えていると解釈する。ここの盛り上がりや線で「リーダーシップ」や「マネジメント能力」などをみることができる。人差し指は、ひとに指示を与えたりもする指であるから、ここにリーダシップの力が宿るのはわかりやすい。まさに、神々のリーダーとしてのゼウスの力が蓄えられているのが「木星丘」である。

占星術においては、木星は約12年かけて黄道を一周するため、木星が自分の星座にやってきた時期のことを「12年に1度の、人生の一大ターニングポイント」と表現される。まさに神々の王「ゼウス」の力がやってくるということで「幸運期」といわれることもあるが、実際には現状をひっくり返す(可能性を広げていく)ような厳しい側面も持っていることから「耕運期(運を耕す期間)」というほうがわかりやすい。この時期には「拡大、成功、豊かさ」がもたらされる反面、「萎縮、虚栄、浪費」という反動が起こりやすいことに注意したい。

キーワード

リーダーシップ、幸運、成功、権力

関連するシンボル

金星

太陽系の惑星のなかで最も明るく、大きく見える星である「木星」の名前は、この神々の王「ゼウス」に因んで「Jupiter(ジュピター)」と呼ばれる。木星は、その名にふさわしく堂々たる見た目の星である。

王笏(おうしゃく)

神々の王であるゼウスの王権を示すための笏。ゼウスの王笏には翼のある生物の飾りがついたものがよく描かれている。下の絵において、ゼウスの右手に握られているのが王笏。

『ゼウスとティティス』(ドミニク・アングル/1811年)

牡牛

フェニキアの都市・テュロスの王の娘であるエウロペを見初めたゼウスが、ヘラにバレないようにするため、自身を牡牛に変身させて、エウロペを連れ去るエピソードに由来する。ここでゼウスが変身した牡牛は、星座の「おうし座」のモチーフになったとされる。

雷霆(らいてい)

ゼウスが怒ると投げる雷の束。宇宙そのものを破壊する力をもつ。先が2~3に分かれた雷の束や炎の束として表現されることも多い。下の絵では、一番上に描かれた人物が雷霆を握っていることから、彼がゼウスであることがわかる。

『悪徳を雷で打つユピテル』(パオロ・ヴェロネーゼ/1554-6年)

ワシ

ゼウスの聖鳥。ギガントマキア(巨人族との戦い)において、ゼウスの勝利を予言した。人物のそばにワシが描かればそれは「ゼウス」を表すが、単にワシが描かれた場合でも、ゼウスによる介入があることを示す場合がある。

登場するオラクルカードデッキ

『Gods and Titans』by  Stacey Demarco

ゼウス リーダーシップ

このカードでは、ゼウスのような強いリーダーシップを発揮して、自分の人生を全うすることがメッセージになっています。一方で、ゼウスは完璧なリーダーというわけではなく、嫉妬深かったり、時には衝動的な行動を起こしてしまう欠点を持っています。真のリーダーとは、そういった自身の欠点を欠点として認め、克服するように努めます。そういった姿勢こそが、真のリーダーシップを発揮するということです。神々の王ゼウスの威厳にあやかって、堂々と胸を張って、自分の人生のリーダーであり続けたいものです。

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