ヘスティア(ウェスタ)【かまどの火の女神、聖火、純潔、世界の中心、家】

ギリシャ・ローマ神話

Heatia、Vasta。かまどの火(炉)の女神。オリュンポス十二神の1柱で、家庭生活の守護神。祭祀の神。潔癖な処女神。

ギリシャ神話ローマ神話英語
ヘスティアウェスタヴェスタ

クロノスとレアの娘で、ゼウスの長姉。かまどの女神であるため、火を守り、オリュンポス(神々の住処)から動かないため、神話のエピソードとして語られることはあまりない。ほかの神々が戦ったりしていても、炉(かまど)から離れることができないという理由で介入することはない。

『ランプを手にする女神、ウェスタ』(アンジェリカ・カウフマン/18世紀)

古代ギリシャにおいて、炉(ヘスティアの火)は家や国家の中心であり、その火は聖火とされ、ゆえにヘスティア(ウェスタ)家庭生活の守護者とされた。不浄なものを清める火を守るのが純潔の処女神ヘスティア(ウェスタ)であり、その巫女も純潔であることが求められました。

古代ギリシャでは、食事の前にヘスティア(ウェスタ)に捧げものをすることが習慣化されていた。下図は、ヘスティア(ウェスタ)を象徴する炉に生贄をささげているシーンが描かれたもの。

『ウェスタへの捧げもの』(フランシスコ・デ・ゴヤ/1771年)

キーワード

かまどの火の女神、聖火、純潔、世界の中心、家

関連するシンボル

ロバ

あるとき、寝ていたヘスティアは、男性の生殖力を司るプリアポスに襲われそうになりました。しかし、プリアポスのロバが鳴いたことで、ヘスティアは目覚め、間一髪逃れることができました。以来、ロバはヘスティアのシンボル(聖獣)になりました。

ヘスティア(ウェスタ)の聖獣ロバ

聖火

ヘスティアの火は家でも、国家でも、聖火として世界の中心として大切に扱われました。ヘスティアの祭壇で燃える炎は、都市の魂として扱われ、けっして絶やさず、新しい土地には火分けされて持っていったとされます。現代のオリンピックの聖火も、もとは「ヘスティアの火」に由来します。

聖火

登場するオラクルカードデッキ

『GODDESS POWER ORACLE』 By Colette Baron-Reid

22 Hestia(ヘスティア)【家】

かまどの火の女神ヘスティアは、家の中心を守る女神でもあります。彼女に触れるとき、自分の家のなかにいるような安心感があるはずです。なぜなら、彼女は炉から離れることができず、外に出ることはないため、私たちが触れることができるのは家のなかか、あるいは精神的な安心感のあるとき、いわゆる「ホーム」状態であるということです。このカードのメッセージは、そういった安心感のなかで、本当の自分として生きてください、というものです。自分の部屋は心地いいですか?仕事場に安心感はありますか?自分のなかにヘスティアの火をいただくためには、自分の中心となる場所に安心感がなければなりません。部屋の片づけからはじめてみましょう。自分の家が片付くという小さな一歩が、大きな問題の答えをももたらしてくれるでしょう。それがヘスティアの火が広がっていく、世界が安心感に満ちていくということです。

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