Dionysos、Bacchus、Bakchos。人々に酒を教え、陶酔と狂騒へといざなう酒の神。酒の神であることから、ブドウの栽培やブドウ酒(ワイン)の作り方を考案したとされる。また、酩酊や狂乱の神ともされ、演劇の守護神でもある。
ゼウスとその浮気相手セメレーの息子。ディオニュソスは、彼を身ごもった母セメレーが、妊娠中にゼウスの雷に打たれて亡くなったため、ゼウスの太ももに縫い入れられ、そこから生まれた。その後、ニンフ(自然に住む精霊や女神)に育てられ、そこでブドウ酒の造り方を創案し酒の神となった。
各地を放浪しながら、熱狂的な信者を獲得し、ディオニュソスは世界中に自分の神性を認めさせていった。さらに、冥界へと通じるとされる底無しの湖に飛び込んで、死んだ母セメレーを冥界から救い出したことで、晴れて神々の仲間入りをしたとされる。
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ディオニュソス | バックス | バッカス |
ディオニュソスの信仰は、興奮と狂乱をともない、特に女性に崇拝されたといわれています。その祭では、狂ったように酒を飲み、タンバリンや笛を鳴らして踊り、八つ裂きにされた獣の生肉を食らうそうです。ディオニュソス(バッカス)の狂乱じみた、情熱的で行動的な精神は、アポロンに代表される理性の対極にあるものと考えられています。
日本ではロッテから「バッカス」というブランデー入りのチョコレートが冬季限定で販売されており、「バッカス」の名前だけでも聞いたことがある人も多い。洋酒入りチョコレートなので、好き嫌いは分かれるがディオニュソス(バッカス)に酔わされたように、幸せな気分になれるお菓子だと思う(※個人の感想です)。(ロッテ「バッカス」の公式サイト⇒https://lotte-land.jp/rummybar/about/)
キーワード
酒の神、酩酊、狂乱、リラックス
関連するシンボル
ブドウ
ブドウ酒を造るのに欠かせない原料。酒の神であるディオニュソスは、必須アイテムである。
アメシスト
アメシストは、月の女神アルテミス(ディアナ)に仕える従者。ディオニュソスが酔った勢いで、家来のバッケー(豹の姿をした酔っ払いの猛獣)たちに『これから出会う最初の人間を食ってしまえ』と命令します。そこに通りかかったのがアメシスト。襲われたアメシストは透明な水晶になってしまいました。ディオニュソスは自分の犯した罪を反省し「私の葡萄の実りはアメシストへの懺悔になろう」とその透明な水晶にブドウ酒を注ぎました。こうして、透明な水晶は紫色になり、現在のアメシストというクリスタルになりました。アメシストの効果として「悪酔いを防ぐ」というものがありますが、これはこのディオニュソスのエピソードに由来します。
登場するオラクルカードデッキ
『Gods and Titans』by Stacey Demarco
このカードのキーワードは「エクスタシー」。これはディオニュソスのもたらしてくれるエネルギーのことを一言で表現しています。この「エクスタシー」は、(単なる性的な意味だけでなく)誰もが一度は感じたことある完全に手放す感覚であるといいます。つまり、解放感や本当の自由を感じることです。ディオニュソスは単にどんちゃん騒ぎをおすすめしているわけではありません。お酒を飲むことは、私たちに解放感を与え、自由な発想をもたらしてくれることもあります。私たちの日常は忙しすぎて、遊び心を忘れてしまっているのです。仕事か遊びか、その重圧が重たすぎるのです。このカードは、リラックスして、すべてを手放す感覚を大切にしょうというメッセージを伝えています。快楽にふけることだけが、楽しいことではありません。日々の生活のなかで楽しくすることこそ、ディオニュソスによる解放です。肩の力を抜いて、流れに、自由に身を任せてみるのはどうでしょう?
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