Hermes、Mercurius、Mercury。オリュンポス十二神の1柱で、神々の使者・案内役として登場する。道や旅人、羊飼いの守護者。一方で、泥棒や詐欺・賭博の保護者。冥界との行き来が可能で、死者の魂の導き手でもある。ローマ神話では交易・商業の神。
ギリシャ神話 | ローマ神話 | 英語 |
ヘルメス | メルクリウス | マーキュリー |
ゼウスとその浮気相手マイア(アトラスの7人娘プレアデスのひとり)の息子。
リラ(竪琴)、アルファベット、数などを発明したとされる。神々のなかでも、最も頭が良いとされ、その頭脳でゼウスを救ったエピソードもある。(発明したリラ(竪琴)はアポロンに贈られ、彼のトレードマークの持ち物となった。)その賢さから、雄弁と理性の擬人像とされ、エロス(クピド)の教育係を任されたりもしています。
ヘルメス(メルクリウス)はトレードマークとして、翼のついた黄金のサンダル(タラリア)、翼のついた帽子(ペタソス)、神々の伝令の証である杖「ケリュケイオン(カドゥケウス)」を持っている。ヘルメスの持つ「ケリュケイオン(カドゥケウス)」とは「聖なる力を伝える者が携える呪力を持った杖」であるが、名医アスクレピオスが持っていたとされる「アスクレピオスの杖」としばしば混同されることがある。医療・医術のシンボルとしては「アスクレピオスの杖」がふさわしいが、「ケリュケイオン(カドゥケウス)」がみられることもある。両者はまったくの別物であることに注意されたし。
占星術において「水星」は英語で「Mercury(マーキュリー)」であり、これはヘルメス(メルクリウス)のことである。水星の運行(空を移動するスピード)がとても速いことから、泥棒や旅人の守り神として、素早い動きをするヘルメスに由来して名づけられたといわれています。
手相において、小指の下の盛り上がり(感情線よりも上側)のことを「水星丘」といい、「商業の才能」や「コミュニケーション能力」をみることができる部分である。小指から入ってきた「水星」のエネルギーを蓄えておく部位だと解釈される。「水星」のエネルギーなので、頭がよく泥棒と商売の神様といわれるヘルメス(メルクリウス)と関係があると考えれば、この「水星丘」の盛り上がりは、単に「コミュニケーション能力」だけでなく「頭の良さ」や「人の操る才能」「嘘の才能」などにも関連があることがわかる。「水星丘」の盛り上がりは、お金が儲かったり、人間関係がうまくいったりすると解釈できるが、過剰に盛り上がっている「水星丘」のあるひとには、騙されたりしないように注意すべきかもしれない。また、この「水星丘」に出る縦線は「財運線」とよばれ、お金の巡りがよいことを表している。「財運線」はしっかりとした一本線が望ましく、薄く複数本ある場合、お金の出入りが激しく手元に残りにくいと解釈する。
フランス語の「エルメ(ス)」は、ヘルメス(メルクリウス)に由来する有名ブランド。
キーワード
神々の伝令、旅人、羊飼い、泥棒、商業の神
関連するシンボル
水星
「水星」は英語で「Mercury(マーキュリー)」であり、ヘルメス(メルクリウス)のことを指す。水星の運行(空を移動するスピード)が非常に速いことから、泥棒や旅人の守り神で、素早い動きをするヘルメスに由来して名づけられた惑星。
財布
商売の神として、財布を持っていることも多い。右手にケリュケイオン(カドゥケウス)、左手に財布が握られている。
リラ(竪琴)
ヘルメスがアポロンの牛を盗んで、それを隠しとうそうとしたが、結局バレてしまったので、お詫びにリラ(竪琴)を贈ることで、アポロンに許してもらったというエピソードがある。後にリラはアポロンのトレードマークになっている。
登場するオラクルカードデッキ
『Gods and Titans』by Stacey Demarco
ヘルメス(メルクリウス)による「コミュニケーション」にポイントが置かれたカードです。ヘルメスの役割は、単なる伝令にとどまらず、その知性も重要視されているのでした。ですから、ここでのコミュニケーションも、単なる言葉のやり取りではなく、自分の持っている感情的知性をちゃんと活かしたものにしてほしいというメッセージになります。自分自身を表現して、何かを伝えることは、単なる言葉だけではなく、その伝え方次第で、相手の受け取り方や反応が変わってしまうこは、誰でも経験があるでしょう。相手にうまく伝える、うまく言葉を操ることをヘルメスが手伝ってくれます。ただし、相手に誠実であることは忘れないでください。相手に嘘をついたり、傷つけたり、偽りの言葉を使うことは、やがて自分に返ってきます。正直に自分を表現して、自分の思いを素直に伝えることが、コミュニケーションの最も大切な要素です。
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