ハクチョウ【芸術、聖なる愛、直感、本質の輝き、美しさ】

動物

Swan。白鳥。アンデルセン原作の童話『みにくいアヒルの子』でお馴染みのハクチョウは、成長すると、とても美しい姿になることで知られています。大きく真っ白な体で悠々と水の上を滑っていく姿は、動物園でもひときわ目立ち、ギョッとさせられる美しさがあります。

ハクチョウ

ハクチョウといえば、チャイコフスキーの『白鳥の湖』が有名。『白鳥の湖』では、ハクチョウ狩りに出かけた王子が、悪魔に姿を変えられた王女に出会い、その恋愛模様が描かれる。悪魔に呪われたこの王女は、昼はハクチョウ、夜だけ人間の姿に戻るという設定。ハクチョウ狩りをしようと弓を構えた王子の目の前で、王女は人間の姿になり、愛を誓う約束をする。

この物語をみると『みにくいアヒルの子』の逆のような気がしてくる。つまり、王子はたくさんのハクチョウなかから王女であるハクチョウをちゃんと見抜いていて、その美しさは注目されるものだったということを感じる。実際、ハクチョウのスピリチュアルな意味として「大人数で集まっても、自分の本来の美しさを発揮する」というメッセージがある。考えてみれば『みにくいアヒルの子』も、最終的には「自分の美しさを発揮」しているから、同じテーマが隠されているような気がしてくる。

水の上を華麗に滑走する姿から、水を凌駕している存在と捉えることができる。ここでの「水」とは、陰陽五行の考え方をすれば「水」=「直感的な力」「物事の本質」「スピリチュアルな実現」と考えられる。タロットカードの「カップ」の要素と同じようなものだと解釈しても大差はない。

ギリシャ神話では、ハクチョウの見た目の美しさから、ミューズ(ムーサ)(アポロンの従者たち)と関連があり、芸術、詩、音楽の象徴である。また、美の女神アフロディーテ(ヴィーナス)の象徴としても、登場することが多い。星座「はくちょう座」の由来をめぐっては「アポロン説」と「アフロディーテ説」ある。いずれにしても、見た目が美しい鳥であることから、あちこちで人気のある生き物だということがわかります。とにかく、美しいんです!

キーワード

芸術、聖なる愛、直感、本質の輝き、美しさ

関連するシンボル

アポロン

太陽の神アポロンの息子パエトンが父親の太陽の馬車を走らせとき、操縦を誤って天から落ちて亡くなった。パエトンの友人のキュクノスが悲しみに暮れるのを見たアポロンが、キュクノスを白鳥の姿に変えて空にあげたことで「はくちょう座」になったとする説がある。

アフロディーテ

最高神ゼウスがレダ(スパルタの国王テュンダレオスの后)を見初めたとき、女神アフロディーテの協力を得て、白鳥に化けることでレダに近づいた。このときの姿が「はくちょう座」になったとする説がある。 

登場するオラクルカードデッキ

『The SPIRIT ANIMAL ORACLE』 By Colette Baron-Reid

60 ハクチョウのスピリット(深く潜るときです)

「水」の上を優雅に滑走するハクチョウは、「水」のことをよく知っています。「水」とは「本質」のこと。表面だけにとどまらず、もっと深いところ、つまり本質をみるように、というのがこのカードのメッセージです。意識を表面だとすると、深いところにあるのは無意識です。無意識が感じていること(意識することができないから無意識なのですが)に思いを馳せることで、今までみえなかったものが、みえてくることがあります。無意識には無限の可能性があるのです。もっと深いところをみてみると、あらゆる可能性があることに気がつくことができるでしょう。表面的なことに囚われないことがポイントです。

 『DIVINE ANIMALS ORACLE』 By Stacey Demarco

20 Swan(ハクチョウ) Beauty(美しさ)

目の前にハクチョウがいるのに、目隠しをしていて気がつかない女性が描かれたカードです。真の美しさとは、本当は身の回りに溢れているものです。しかし、私たちは日常の生活でくたびれて、それどころではなくなって、周囲の美しさにも気がつかないほどになってしまっているのです。これでは目隠しをしているのと同じです。ですから、リラックスして、周囲を観察することからはじめてみると、想像以上に身の回りに美しさが溢れていることに気がついていきます。周りの美しさに触れるうちに、あなたが悩んでいることの答えが見つかるでしょう。本当に、世界は美しいのです!

(※このカードの解説には「アポロンの母レトに、ハクチョウに姿を変えたゼウスが近づいた」とあるが、ゼウスがハクチョウの姿で近づいたのはスパルタ王テュンダレオスの妻レダであり、アポロンの母であるレトとハクチョウが直接つながるエピソードではない。)

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