オラクルカードのコレクションをはじめようと思った初期に、まず目をつけたのがドラゴン系のカードです。ドラゴン系のオラクルカードなら、それほど多くはないし「とりあえず、ドラゴン系は制覇した」と言えるようになるのではないかという期待がありました(実際には、そんなに少ないこともないのですが)。
ドラゴン系の枠で考えたとき、少し手を伸ばしたところにあったのがこのデッキです。テーマはなんとドラゴンと妖精の融合です!これはオラクルカードの研究をするなら絶対外せません!それまでも妖精のカードはかじっていたし、ドラゴンもそれなりに勉強してきました。なら、それらがかけ合わさると?これはたいへんな化学反応が起こりそう。そんなワクワクとともに手に入れたのでした。
Oracle of the Dragonfae:基本情報
そう遠くない昔、私たちは神であり女神でした…次元の土地に住んでいました…エデン、アヴァロン、イース、アトランティス、ムー…私たちは完全に生きていて、完全に魔法を持っていました。私たちはすべての元素の存在たちとともに働き、愛し、暮らしていました…しかし時間が経つにつれて、私たちは最も強く、最も保護的な存在である、Dragonfaeの親族から引き離されてしまいました。
このデッキは、彼らが私たちの領域に戻り、新世代の魔法の存在たちに愛、癒し、保護の強力なメッセージを届けることを可能にする次元のポータルです。これらのページ内で、そしてこれらの魔法のカードのそれぞれで、あなたはDragonfaeの無限の世界を紹介され、そこからのメッセージと知恵が与えられます。この世界は今やあなたの目で見て、あなたの心で体験する準備ができています。私たちがDragonfaeとつながるとき、私たちは自分自身の失われた部分と再びつながり、この美しい惑星での生命の贈り物を完全に探索できるようになります。彼らは、私たちが心の奥深くから知識にアクセスし、私たちは皆一つであるという認識と再びつながることができるように助けてくれます。
『Oracle of the Dragonfae』裏面説明文より引用・翻訳
枚数:43枚
ガイドブック:164ページ
カードサイズ:128×90mm
パッケージサイズ:17.02×12.7×3.81cm
著者:Lucy Cavendish
アートワーク: オムニバス(Nicle Cadet、 Selia Fenech、 Debbie Lean、 Jimmy Manton、 Kylie McDonough、 Ravynne Phelan、 Toni Carmine Salerno)
美麗系オムニバスに、サラサラのコーティング
このカードのアートワークはオムニバス形式となっていて、ひとつのデッキのなかで様々なアーティストの作品に触れることができるのが魅力のひとつです。基本的には美麗系のデザインとなっていて、どのアーティストの絵もそれぞれの魅力あり、世界観に引き込まれます。どのカードにも、ドラゴンが描かれていて、その違いを眺めるだけでもドラゴンのイメージをグッと広げるのに役立ちます。
パッケージの蓋を開けると、カードは箱よりも小さめに入れられています。下地にえんじ色が使われているのがまた、このデッキに高級感を与えています。
また、カードのコーティングは反射しないサラサラしたものとなっており、カードの厚みもしっかりあることから、デッキとして重厚感があり、テーマに則した優雅さと強さが感じられます。カードは大き目ですが、くっついたりすることもなく、適度な重さでシャッフルがしやすくなっています。コーティングがいいカードは、シャッフルによる角の劣化が気になりません。
パッケージの大きさは、一般的なタロットカードやオラクルカードよりも大きめですが「BLUE ANGEL」出版社の一般的な大きさででA5サイズより一回り小さいくらいです。
ドラゴン×妖精!お腹いっぱいになる情報量
デッキのテーマは「Dragonfae」であり、基本的には「ドラゴン×妖精」です。しかし、実際にフタを開けてみれば、古代の世界で活躍した存在たちとその使いのドラゴンというような形で、妖精というよりも伝説の要素が目立ちます。アーサー王伝説をはじめ、アトランティスやケルト神話、さらには日本の名前まで登場し、さまざまな文化にまたがるのは、ドラゴンのすばらしいところです。
しかし、オラクルカードという占いのツールとしてこれを扱うには少し荷が重たくなってしまいます。サクッと直感でリーディングしたいのに、タイトルの人物の背景がわかっていないと「なぜ?」がわからなくて、リーディングの言葉につながってきません。
さらに、ガイドブックで説明されているのも「名前」と少しの「由来」なので、それがオリジナルなのか、どこかの伝承なのかをあとから自分でちゃんと調べなおす必要があります。
もちろん、それが好きな研究家気質のひとなら、それを楽しむことができるでしょうが、オラクルカードととしてかなり難しいという印象になってしまいます。わたしがこのデッキをずいぶん前に購入していたのに、なかなか翻訳できなかったのも、こういった背景によるものです。翻訳をはじめても、人物の名前や固有名詞でいちいち調べようとするととてつもない時間がかかるし、またそれ自体はリーディングの背景知識でしかないため、時間のコスパが悪いと思ってしまうのです。
カードの意味だけ理解して、あとはリーディングしながら人物の理解を深めていく、そんな使い方がいいのかもしれません。
人物の語り口調で書かれる言葉
それぞのカードに添えられている解説は、すべて「○○はこう言った」というところから書かれています。人物の語り口調で書かれているため、この世界に自分を埋没させたところで読むことができれば、まさにその世界のなかでその人物からメッセージを受け取ることができます。
個人的には、英語を原文のまま読んでストレートに理解できるわけではないし、自分のリーディングというよりは他人のリーディングをするほうが多いので、ここがそれほど役に立つわけではありません。
あとは、カードの人物の解説と占いの意味、そのエネルギーを使う方法がおよそ2~3ページで書かれています。
少し厚めのガイドブックなので、最初は抵抗感がありますが、思いついたときにパラパラ読んだり、ちょっとした読みものという感じ捉えておくと勉強になります。特に、この「Dragonfae」という存在について、かなり詳しく解説されており、これは他の教材では学ぶことができない内容になっています。
一般的なリーディングもありだが、世界観を楽しもう!
オラクルカードのひとつなので、もちろん一般的なリーディングに使用することができます。ガイドブックには、このデッキだけの特別な使い方は特に書かれておらず、一般的なオラクルカードと同じように使うように指示されています。そのため、逆位置やジャンプカードの扱いについても触れられていません。
このカードの特徴として、描かれた人物と向き合う形になっていることがあげられます。どのカードでも、人物がこちらを向いているか、振り返っているかしており、いずれにしてもあちらからの視線を感じさせるのです。だからこそ、ガイドブックの「語り口調」がより有効なのでしょう。英語でよむわkではないにしても、この世界観を感じながら、まさに目の前にこういう存在たちが来てくれたように感じながらリーディングすると、その息遣いが聞こえてきます。
ですから、普通の占いのような日常の悩みというよりは、もう少し深い人生の行く末やその目的など、高い次元の質問をするほうが、カードとのよりよい関係を気づいていけそうです。カードのメッセージ自体は、かなりわかりやすく書かれているので、受け取ることができれば「うん!」と軽やかに納得のいくものになっています。一般的なオラクルカードよりも少し波動が高いという印象があります。
ドラゴンとの懸け橋としての妖精
人間の起源のスピリチュアルな説のひとつに「空っぽの肉体に土着の妖精が入りこんだもの」という考え方があります。そのため、妖精は人間が思うよりも人間に近い存在で、半分親戚のような関係であるともいえます。
一方、ドラゴンは日本では「龍神様」信仰があるように(正確にはドラゴンではないが)、かなり高次の存在であり、普通の人間が相手にあまり興味がないという感じがあります。ドラゴン単体をテーマにしたデッキでは、人間の小さな悩みにあまり応えてくれなかったりするのです。
そのため、この「Dragonfae」というその中間の存在として描いてくれるカードは、人間と妖精、そしてドラゴンをつなぐ大きな架け橋になります。いわば、親戚に大企業の社長さんを紹介してもらうような、そんなニュアンスを感じるカードになっています。
若干情報過多=初心者ツラし。
ただし、だからこそ、そもそもドラゴンのことや妖精のことをある程度知っておくことが求められます。親戚にビッグなひとを紹介してもらっても、そのひとの周辺のことがわからなければ、まったく話が盛り上がらないし、つながることもできません。結局「この話はなかったことに」なんて言われかねないですね。
そのため、初心者には難しいデッキになっています。ある程度、伝説や女神などの勉強が進んでいれば、サラッとリーディングできちゃうかもしれませんが、逆に、知識がないと厳しいということです。
スピリチュアルな知識はどこまでいってもつながっていくし、終わりがみえないので、情報過多でおなかいっぱいになりがちです。少しずつ進めて、一歩ずつちゃんと消化しながら進むことが大切です。
妖精とドラゴンをもっと知りたい、あなたへ。
このカードのテーマは「Dragonfae」であり、ドラゴン×妖精です。そのため、その世界を深めてくれるカードであることは間違いなく、また、現在この「Dragonfae」をテーマに扱っているデッキは世界でこのデッキのみです。ドラゴン系もたくさんあるし、妖精系も見かけるけれど、その架け橋となるものはないのです。
ですから、これらのどちらかにでも興味があるなら、その世界を深めるために、このデッキは唯一無二の知識と世界観を与えてくれるでしょう。初心者には難しいということで紹介していますが、それでも、初心者はどこかで初心者をやめて、その道を究めていく必要があります。難しければ手元に置いておいて、あとから見直すような、参考書のような扱いでも構わないのです。
難しい印象があって、入り口が狭いからこそ、それを学ぶものには多くのことを教えてくれます。その覚悟できた者だけに許される世界があるのです。このデッキは、そんな一般には隠されてきた古代の叡智、それも他のところでは表現すらされていない世界を教えてくれる唯一の入り口になっています。
カードに含まれる象徴一覧
- Melusine
- The Lady Grian
- The Lovers
- Apalala
- Lady Titania
- Grandmother Magicks
- The Time Guardian
- Nimue
- Morgan le Fey
- Queen Oonagh
- Queen Mab
- Aine and the Guardian
- The Lady Alfreda
- The Green Lady of Y Ddraig Goch
- The Dragonfae Goddess Tiamet
- Gwynne and Elluish
- New Moon Fae
- Tatsuya
- The Wild Huntress
- The Pendragon
- The Listener
- The Morrighan
- The Lovers at The Feast
- Andelle
- Lady of the New Buds
- Pellinor and The Lady
- Chenguang
- Drystan
- Brigid
- The Elder
- The Dawn Watcher
- Lady Luna’s Magick
- Hideki’s Door
- Oroki
- Chumara
- Wu-Wang
- Gaia’s Dragon
- The Sovereign
- The Blue Lady
- The Guardians
- Dragonfae of Rebirth
- Dreamcatcher
- Fernia
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