ヘカテ【闇夜、魔術、出産、あらゆる成功、浄化、十字路】

ギリシャ・ローマ神話

Hekate、Hecate。ギリシャ神話の女神。ローマ神話ではヘカテ・トリウィア(トリウィア=「三叉路」の意味)ともよばれる。闇夜や魔術、浄化と贖罪、出産の女神。人間にあらゆる成功をもたらすともいわれる。「死の女神」「無敵の女王」の別名もある。冥界の女神であり、ハデスペルセフォネに次ぐ地位だとされる。

『ヘカテー』(ウィリアム・ブレイク/1795年)

3つの頭と3つの体をもち、松明を手に持ち、冥界の三叉路に座り、それぞれの道の行く先を見ているとされる。3つの頭と体は、ヘカテの力が天上、地上、海中の3つの世界に及ぶこと、あるいは過去、現在、未来に及ぶこと、また新月、半月、満月(または上弦、満月、下弦)という月の三相、または処女、婦人、老婆という女性の三相を表すとされている。中世には、異形の女神として、魔女と関連付けられた。

ティターン神族の孫世代の女神で、アポロンアルテミスの母方のいとこにあたる。

キーワード

闇夜、魔術、出産、あらゆる成功、浄化、十字路

関連するシンボル

ヘカテの3つの頭は、月の満ち欠け=新月、半月、満月(または上弦、満月、下弦)という月の三相を表しているともされ、月と関係が深い。月の女神アルテミスやセレネと同一視されることもある。

ヘビ

ヘビは「不死の象徴」として、ヘカテのシンボルになっている。

ナイフ

ヘカテは出産を司る女神でもあるため、助産師の象徴である「ナイフ」がシンボルとなっている。

松明

ヘカテは松明を持っており、月光の象徴であるとされる。ギガントマキア(ゼウス率いる神々と巨人族との戦い)にも参加しており、松明を武器に敵の巨人族をやっつけている。

登場するオラクルカードデッキ

『GODDESS POWER ORACLE』by Colette Baron-Reid

20 Hecate(ヘカテ)【その中間】

ヘカテは「十字路」を象徴する女神でもあります。「The In-Between(その中間)」にあるということは、ちょうど十字路に差し掛かったところであるということ、自分が今立っているのは過去と未来のはざまであることを示しています。今、この十字路で、どちらの方向に進むべきか、進みたいのか、自分のなかからしっかりと棚卸をする時期です。ヘカテは「あらゆる成功」を人間に与える女神でもあります。あらゆる成功は、この十字路で進む方向を決めたときに、その運命が決まります。今のあなたの決定が、未来の成功を決めるのです。慌てて判断しないで、じっくりと決めてください。どうなりたいですか?何を望みますか?責任をもって、自分の歩む道を選びましょう。ヘカテはあなたが心から選ぶ道の先に、成功を用意してくれています。

『FOLK LORE TAROT』 by Rowan Ortins

タロットカード「女教皇」にヘカテが描かれています。手に持った松明はわたしたちの行方を照らし、自分自身を信頼し、本能と直感に従うようにすすめています。

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