デメテル(ケレス)【農耕と穀物の女神、豊穣、大地】

ギリシャ・ローマ神話

Demeter、Ceres。地上に豊かな実りを与える大地の守り神。オリュンポス十二神の1柱で、農耕と穀物の女神。デメテルの「メテル」は「母」の意味で、地中にまかれて発芽する穀物の母なる神として、古くから農民たちに信仰されていました。デメテルと同一視されたローマ神話のケレスは、英語の「serial(シリアル(穀物、オートミール))」の語源にもなっています。

ギリシャ神話ローマ神話英語
デメテルケレスセリーズ(シアリーズ)

クロノスとその妻レアの娘で、ゼウスの姉。ゼウスに無理やり迫られた際、生まれたのが娘ペルセフォネ(プロセルピナ)

『ケレス』(ジョヴァンニ・フランチェスコ・ロマネッリ/1660年頃)

ペルセフォネ(プロセルピナ)冥界の神ハデスにさらわれたエピソードでよく知られている。ペルセフォネを奪われた豊穣の女神デメテルの悲しみから、地上は不作・凶作となった。ゼウスの介入で、ペルセフォネを取り返した際には、ペルセフォネが冥界でザクロを4粒(3粒または6粒)食べてしまっていたことから、1年の3分2を冥界で過ごすことになった。その結果、ペルセフォネがいない期間、やはりデメテルは悲しむので、1年のなかに冬ができ、四季となった。

また、ペルセフォネがさらわれたときデメテルが松明を持って探し回ったとされることから、中世以降(15世紀以降)では、この「松明」と「旧約・新約聖書」が重ねられ、「聖書」を持って、はぐれた羊(=人間)を探している姿だと解釈されることもあった。

豊穣の女神であり、地面に種をまくイメージから、地下や死後の世界との関わりも深い女神でもあります。

キーワード

農耕と穀物の女神、豊穣、大地

関連するシンボル

デメテル(ケレス)は、収穫に必要な鎌を手にする姿で描かれることで、豊穣の女神であることを表すことが多い。

穀物を刈り取る鎌

イシス

イシスは、エジプト神話における豊穣の女神です。魔法の力で夫オシリスを冥界から復活させることから強力な魔法を持つ女神とされています。時代が下るとデメテルの持ち物である松明や麦の穂を持つ姿で描かれ、同一視されていることもうかがえます。また、冥界から自分の大切な人(デメテルはペルセフォネ、イシスはオシリス)を復活させるというストーリーにも類似点がみられます。

登場するオラクルカードデッキ

『GODDESS POWER ORACLE』 By Colette Baron-Reid

11 Demeter(デメテル)【養育者】

「Nurturer(養育者)」のキーワードがついたデメテルのカードです。デメテルは、名前に「母」の意味が入っており、その大いなる愛で穀物を育ててくれます。それを私たち人間がいただいて、生きるための栄養にしているのです。つまり、デメテルの養育者としてのエネルギーを私たちは、食物を通して受け取っているといえます。ですから、私たちもまた、周囲のひとに栄養を分け与えたい、なにかを分かち合いたいと感じるものです。デメテルからの豊かな愛を、ほかの人たちにもふりまくように使ってみましょう!また、デメテルのパワーを受けて、自分自身を養うときでもあります。大地のエネルギーとつながること、その恵みである旬の食材を頂くことは、穀物の女神からエネルギーを受け、愛され、サポートされていることに信頼感をもたらしてくれるでしょう。

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