本屋さんで見かけて、その場で買ったオラクルカードです。オラクルカードのコレクションをはじめてからはかなり経過していましたが、Dreen Virtueのデッキに触れるのははじめてのことでした。このデッキを買うことはまったく意図していませんでしたが、1か月後にはその本屋さんからもなくなってしまって、完全に絶版状態になってしまったのを知りました。まさにギリギリのタイミングだったのです!

このときは「もうひとつ予備で」と思って本屋さんを見に行ったのになくなっていたこともショックでしたし、ドリーンが宗教上の理由でもうとっくに引退していて、カードが絶版になっていることもショックでした。このデッキをレビューすること自体、本人からしたら問題があることなのかもしれません。しかし、オラクルカードの歴史として触れないわけにもいかないし、やはりここが原点になるのは間違いないので、レビューしたいと思います。
Healing with the Angels Oracle Cards(エンジェルオラクルカード):基本情報
天使たちは、私たちにメッセージを伝え、人生のさまざまな側面において ・私たちを助け、癒してくれます。美しい挿絵と心温まるメッセージが添えられたこの44枚のエンジェルカードを通して、誰もが簡単に、自分自身や周りの人たちに対して、エンジェルリーディングを行うことができます。このカードを使うことで、天使たちとコミュニケーションが深まり、恋愛、家族、仕事、健康などの問題についての答えや導きを得ることができるでしょう。
『Healing with the Angels Oracle Cards(エンジェルオラクルカード)』裏面説明文より引用
枚数:44枚
ガイドブック:60ページ
カードサイズ:128×90mm
パッケージサイズ:10.2×3.2×14cm
著者:Dreen Virtue
アートワーク: オムニバス(エドワード・バーン=ジョーンズ、ウィリアム・アドルフ・ブグロー、アレクサンドル・カバネル他)
独自評価
項目 | 評価 |
象徴性 | |
連想のしやすさ | |
深さ | |
信頼度 | |
読後感 | |
総合 |
オラクルカードの元祖という安心感
1990年代後半から、西洋で誕生したオラクルカードの日本語版が出版されはじめました。その火付け役となったのが、後にオラクルカードの代名詞となるこの『エンジェルオラクルカード』です。そもそもの「オラクルカード」という言葉自体を作者のDreen Virtueが作ったとされ、本人が引退した今もなお、高い人気を誇っています。

手元にあるのは2021年の日本で印刷されたものですが、現在の日本語版カードのコーティングよりもサラサラしていて、シャッフルしやすい印象があります。カードの厚みもしっかりしていて、デッキに安心感があります。これはオラクルカードの元祖という安心感に由来するのかもしれません。
特筆すべきは、アートワークがオムニバス形式で、過去の西洋絵画や現代アーティストの作品の一部を切り抜いた形になっていること。個人的には、エドワード・バーン=ジョーンズや、ブグローの作品が使われていることがとてもうれしく思いました。元ネタを探すのはひと手間かかりますが、少し調べてみると世界観が広がります。
ひとつ紹介したいのは「PLAYFULNESS」に描かれた天使。もとは、カバネルの『ヴィーナスの誕生』に描かれていたもので、ヴィーナスを真上から見下ろしている天使です。うーん、これは「PLAYFULNESS」だわ(笑)。


バックデザインは、天使の羽になっています。天使の羽は「愛のエネルギーであなたを包み込む」ためのものですから、シャッフルするだけでなんだかあったかい気持ちになるのは、天使のそのエネルギーを感じるためでしょう。

シンプルにあたたかく受け取るメッセージ
このカードからのメッセージは、非常にシンプルでわかりやすく、そしてどれもあたたくポジティブなエネルギーを感じさせてくれます。まさに、天使とつながるという感じで「ほわっ」とした気分になることができるのです。
近年のオラクルカードでは、カード自体に長い説明が書かれていたり、イメージの湧きにくい言葉で表現されていたりしますが、このカードの表現はいたってシンプル。中学生レベルの英単語しか登場しないので、初見でも、英語を意味をちゃんと捉えたうえで、リーディングすることができます。
オムニバスのアートワークも、それぞれのカードのイメージを象徴するようにきちんと構成されていて、同じデッキでありながら異なるエネルギーを感じる効果がうまく再現されています。このデッキの紹介文で「まるで美術館のような」と言われることがありますが、それがひとつのデッキにしてあって、「すべて天使の側面である」という表現になっていることに注目するべきです。どれも天使のひとつの姿で、天使との関わり方にも、いろいろな形があるわけです。

自分の感じたままにリーディングするというオラクルカードの原点に戻って、難しいことは考えずに、単純にリーディングすることで、このデッキからすばらしいメッセージを受け取るコツです。占いという枠や、なにか特別なことを伝えなければならないという考えを捨てて、シンプルでいいということに気がつくために最適な答えをくれるでしょう。
簡潔なメッセージと読むだけリーディング
ガイドブックはとてもシンプルに設計されていて、薄く、説明や解説の部分はほぼありません。アートワークの元ネタが知りたくても、解説がないので少し残念な気もします。しかし、リーディングをするうえでの言葉としては、じゅうぶんに書かれており、読むだけでリーディングになります。

おすすめは、カードとキーワードから感じることをまず自分のなかで解釈したうえで、サラリと一通り読み、落とし込んでいくというやり方です。ガイドブックに明記されていますが、ここに書かれていることはあくまでも一般的な解釈であって、そこから発想を展開させるのが、リーダーとしての役割なのです。ですから、書かれていることを読んで終わりにしてしまうのは、非常にもったいないことです。

天とつながり、質問をする
頭のなかで天(天使や高次の存在など)とつながり、それから質問をすることが推奨されています。天とつながることができると、デッキが重たいと感じるようになるそうです。
質問はどんなことでも構いませんが、一般的なオラクルカード同様、オープンな質問にするべきです。「Yes/No」で答えられるものではなく、質問が思いつかなかったとしても「人生対する教え」や「今知るべきこと」など、答えに制限のないものが好ましいでしょう。
シャッフルにもこだわりが書かれており、「直観」か「“やめなさい”という内なる声」に従って、シャッフルをストップすることが明記されています。
やさしく読めて、ハッピーになれるメッセージ
オラクルカードの原点ともいえるこのデッキは、後年に続く、「いかにこれまでにないものを創り出すか」というような邪念(?)のようなものをいっさい感じません。そのため、メッセージが非常にシンプルで伝わりやすく、まっすぐであたたかいのです。個人的に、深いメッセージ性があるデッキももちろん好きですが、あまりにこねくり回してしまうとややこしくなることは明白です。このデッキは、シンプルに書かれているがために、パッと見は浅い感じになってしまいますが、それこそがオラクルカードの原点であり、至高と言えるのです。
絵の好みは分かれるか、イメージが湧きにくいものもあるかも
アートワークがオムニバス形式であることは、利点であると説明されがちですが、絵をみることはアーティストとのつながりを感じることでもあります。リーディングをするうえでは、その絵と「あわない」と感じてしまうと、それがもはやリーディングをするベースではなくなってしまうわけです。そのため、オムニバス形式のデッキでは、一部に「あわない」アーティストが含まれている可能性があり、少しリーディングに抵抗を感じることもあるかもしれません。

その違いすら楽しめるという方には、ぜひおすすめですが、それなりに絵柄にこだわりがある方は少し注意してください。ただ、全体的には非常にわかりやすいので、初心者向きのオラクルカードです。
原点回帰して生きる道を探したい、あなたへ。
このデッキは、オラクルカードの原点となったデッキです(少なくとも日本においては)。そんなデッキに触れることは、自分のなかでも「原点」を取り戻し、自分の生きる道を探ることにもつながっています。本来はどうあってもよくて、すべて自分で選択していいはずなのに、それを制限されてしまって、自分ではどっちに進んでいいのかわからなくなってしまう。そんなときには、いったん自分の場所に戻って、どうしたかったのか、なにが自分にとって最もうれしい、楽しいことなのか思い出すことが重要です。

このデッキが見せてくれるのは、どんなあなたでも「それでいい」ということです。このデッキは、あたたかく、やさしく「うん、それでいい」と声をかけてくれるのです。あなたが考えていることは、少しも間違っていなくて、あとは自信を持って進むだけなんです。そのためのエネルギーを与えてくれて、ほんの少しの勇気ある一歩を踏み出させてくれる、そんなツールになってくれるデッキです。
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