Sacred Geometry Cards for the Visionary Path:レビュー【神聖幾何学オラクルカードの原点】

カードレビュー

現在では「マンダラ」として多くのデッキに描かれている神聖幾何学を最初にオラクルカードとして登場させたFrancene Hart氏の2作目の作品。1作目のデッキが青いパッケージだったのに対して、今作では赤く目立つデザインになっています。個人的に赤いほうがかっこいいと思ったので、赤い方を先に手に入れてしまいましたが、内容としては1作目の補完的な意味合いを持たせてあるそうです。

オラクルカードの形式がまだ定まっていない2000年代に出版されたもので、スライド式の箱にカードが2列横並びに入るという、今ではみかけない形式になっています。大きさもそうですが、パッと際立つ赤くしっかりとしたパッケージは、普通に見かけることはなく、マニア心をくすぐります。

Sacred Geometry Cards for the Visionary Path:基本情報

『Sacred Geometry Cards for the Visionary Path』は、意識の進化の道を歩む人々に励ましと導きを与えます。『Sacred Geometry Oracle Deck』の正当続編であり、それを補完するものであるこの占いセットは、アーティストのFrancene Hartによって作成され、動物、海洋、天体の自然な形における神聖幾何学的な比率を描写する64枚のオリジナルのフルカラー画像が含まれています。付属のガイドブックには、各カードの詳細な解釈と、個人およびグループのリーディングの両方の6つの占いスプレッドが含まれています。

数学、科学、精神性を統合したこのカードは、芸術、科学、宗教において、それぞれ異なる事実として見なされていた古代文化の知恵を伝えています。

このカードを使うことで、この包括的なものを私たち自身の生活に組み込んで、私たちのエネルギーフィールドにバランスをもたらし、より高いレベルの意識にアクセスできるようになります。カードが明らかにする知恵は、人生の課題に対する洞察を提供し、私たちを生活の自然なリズムと調和した状態に戻すのに役立ちます。

『Sacred Geometry Cards for the Visionary Path』裏面説明文より引用・翻訳

枚数:64枚

ガイドブック:145ページ

カードサイズ:×mm

パッケージサイズ:15.24×4.57×22.86cm

著者:Francene Hart

アートワーク:Francene Hart

本棚に飾りたくなるサイズ感&しっかり感

冒頭にも書きましたが、今では見かけることのないオラクルカード黎明期の雰囲気が漂うカードデッキです。パッケージからすでに、現在一般に販売されているものとずいぶん異なり、スライド式で、およそB5サイズという、とても大きなものになっています。

一般的なタロットカードとの比較

中身もカードを2列で横にしまうスタイルとなっており、他のカードのように、すぐに取り出して使うというようなものではありません。むしろ、じっくり時間をかけて、瞑想と同じような形でメッセージを受け取るためのツールになっているようです。カードを箱から取り出す動作自体が、すでに儀式のはじまりであるかのように(実際そうなのですが)、うやうやしい感じがしてしまいます。

2列に並べて収納するスタイル。珍しい。

近年のデッキとは異なるスタイルだからこそ、ちゃんと本棚に飾っておきたくなります。

本棚に並べるとなんだかしっくりくる!

カード自体の質感も初期のオラクルカードという感じで、コーティングがされているわけではなく、一般的な厚紙のような感じで厚みもそれほどありません。

穏やかな愛のメッセージが多く、ハワイの風を感じる。

64枚のデッキのうち、25枚が愛に関連するメッセージになっており、全体的に愛を感じさせるメッセージが多いと感じるデッキになっています。また、著者がハワイ在住であることから、ハワイに関連するオポノポノやペレなど、ハワイの考え方が登場する珍しいデッキでもあります。

カードのバックデザインには、古代ハワイの聖地である「プウホヌア」の夕日が横向きで描かれており、スライド式のボックスから取り出した瞬間からあたたかなハワイの風を感じるように設計されています。

古代ハワイの聖地である「プウホヌア」の夕日

絵柄のタッチは全体的にやさしく水彩で描かれたもので、愛のエネルギーを感じさせてくれます。また、CGではなく手描きによって背景に重ねられた幾何学は、見る者の想像力をかき立て、むしろ想像のなかで神聖な幾何学として再構成されるという不思議な感覚を演出しています。

デッキには3パターンのデザインがあり①神聖幾何学がメインのもの、②背景の景色がメインのもの、③神聖幾何学を織り込んだものの写真、となっています。

①神聖幾何学がメインのもの
②背景の景色がメインのもの
③神聖幾何学を織り込んだもの

いずれにしても中心にあるのは神聖幾何学であり、それぞれのカードをみつめ、その神聖幾何学を読み手が思い描くことに意味があるということを感じさせてくれます。天使やチャクラなども登場していますが、それぞれ固有の名前に触れられることはなく、一般概念としての登場に留まっています。

冊子だけでもカッコイイ!

付属のガイドブックは、箱にぴっちりと収まるサイズでB5サイズに近い大判のものになっています。このガイドブックだけでも本棚に飾りたいくらい、かっこいいサイズ感です!

前半は、神聖幾何学についての解説とオリジナルスプレッドの紹介があります。大判なので、しっかりと余白もありとても読みやすく、わかりやすい印象があります。スプレッドの説明もそれぞれ図がついており、わかりやすいです。

後半には、見開き2ページでそれぞれのカードの解説があり、左側に大きな画像、右に解説となっています。解説には、短く逆位置の読み方も書いてあります(逆位置でも意味が変わらないものもあります)。

じっくり見つめてリーディング&逆位置あり

このカードの世界観を理解するためには、解説を読むだけでは不十分です。なぜなら、神聖幾何学には、無意識のうちに語りかけるものがあり、それは一般的なオラクルカードに描かれる象徴的なものよりも、さらに言語化しにくいものが含まれているためです。例えば「カラス」の象徴といえば、なんとなく「魔法使い」や「夜」「伝達」などと象徴として言語化することができます。しかし、幾何学となるとこれが知識というよりも感覚として理解されなければリーディングまで応用することが難しいわけです。「○」と書かれれば「よい」とわかることがそれですが、これがさらに複雑になったものが神聖幾何学といえます。

そもそも正十二面体とは何かを知る必要がある。

絵柄だけでは読み取れず、ある程度の知識が求められると同時に、じっくりと見つめてこのカードの世界にどっぷりと浸ってみたとき、そこからメッセージが得られます。解説の文章は一通り読んだ後、絵のなかに入り込むように眺めながら瞑想するのがよいでしょう。そうすれば、だんだん神聖幾何学の世界を理解できるようになってきます。

また、逆位置を採用することになっており、上下を区別したシャッフルをする必要があります。

かっこいい&逆に新しい

オラクルカード黎明期に作られたこのデッキは、現在ではあまりみかけない大きさであり、内容になっています。しかし、だからこそ、今からみれば得られることや逆に新しく得られることもたくさんあります。例えば「マンダラ」とは少し違う、もともとの神聖幾何学の考え方に触れ、まだ細分化されておらず文化が混ざり合っている世界観を感じることができます。現在では、天使なら「大天使○○」というところで、ただの“天使のような人物”であって、しかも神聖幾何学に関連付けられているのだから、おもしろい。

本棚に並べておきたくボックスデザインもたまりません!オラクルカードが好きなら、特にマンダラや神聖幾何学のファンなら、ぜひ手元に置いておきたいデッキのひとつです。

初心者にはオススメできない難易度

このデッキに含まれるカードは、基本的に絵とタイトルのみの記載となっています。オラクルカードなので、もちろんその絵から読み取ることが大切ですが、神聖幾何学がメインになっているため、象徴として描かれているものの解釈が難しく、はじめはリーディングに戸惑ってしまう可能性があります。初心者として、最初にこのカードに触れてしまうとリーディングができなくて(言葉にして説明することができないor言語化ができない)、オラクルカード自体が苦手になってしまう可能性もあります。

このカードを使うのは、ある程度のスピリチュアルの知識が身についてからのほうがよいでしょう。基準は、プラトン立体が説明できること、フラワーオブライフの成り立ちがだいたいわかることです。これがクリアできているのであれば、強い味方になってくれるツールであることに間違いはないでしょう。

また、かっこいいボックスの反面、底にカードが挟まりやすいのは難点です。カードを取り出す際にパッケージをひっくり返して、さらに爪でひっかけて取らなければ取り出せないことがあります。その場でリーディングを見せるためには、少々手間がかかったりして、おすすめできません。やはり、ひとりで内省するためのツールと考えるほうがよういでしょう。

底のケースにカードが挟まる

マンダラ系の原点から新しい可能性を広げてみたいあなたへ。

このデッキの著者Francene Hart氏が、最初の神聖幾何学のオラクルカードを出版したのが2001年です。そこから7年後、この第2弾のデッキが出版されました。最初のデッキにも、もちろん魅力がありますが、こちらはその進化系。前作よりも絵柄が細かくなり、より神秘的な印象となり、また著者の意図がより強く表れていると思います。

どんなものでも、原点に返ってみるとより理解が深まったりします。日本にも「マンダラ」の文化がありますが、西洋には「神聖幾何学」があり、これらが混ざり合って、現在のマンダラ系オラクルカードに流れ込んでいるようです。そのきっかけがこのシリーズにあったと思うと、なんだか感慨深いものがあります。このデッキがマンダラ系オラクルカードの歴史のなかでとても重要な役割を果たしたのです。

くり返しになりますが、初心者がいきなりこのデッキでリーディングをしようとすると難しく感じてしまいます。しかし、ある程度の知識があるなら「なるほど、なるほど」という感じで、当たり前のことを伝えてくれる非常に正統派なデッキであることがわかるでしょう。先祖返りをするように、昔のデッキはシンプルなものだったと理解できると思います。

マンダラ系オラクルカードが好きな方にはもちろん、その原点に立ち返って、さらに学んでみたいというあなたにおすすめの作品です。

『Sacred Geometry Cards for the Visionary Path』に含まれる象徴一覧

1 One Drop:Calm and Chaos

2 Phase Mandala: Cycles, Movement

3 The Kiss: Earthly Love, Relationship

  • Vesica Piscis

4 Earth Prayers: Stewardship, Sustainability

5 Fire Keepers: Sacred Responsibility, Service

6 Tetrahedron: Understanding, Action

  • 正四面体

7 Trinity: Triangle, Mother/Father/Child

  • 三位一体

8 Flaming Tropicals: Passion, Fire

  • ヘリコニア

9 Healing the Heart: Spirit of Place, Healing

10 Divine Mother: Celebration, Activation

  • 地母神(ガイア、パチャママ、聖母マリア、観音、イシス、グリーン・タラなど)

11 Wild Orchids: Something Hidden

  • ラン
  • トンボ

12 Star Tetrahedron: Vehicle, Merkaba

  • マカバ

13 Dolphin Merkaba: Joy, Cooperation

  • イルカ

14 Together: Co-creation, Balance

15 Owl Guardian: Guidance, Insight, Intuition

  • フクロウ

16 Ho’o pono pono Sunset: Harmony, Right Action

  • オポノポノ

17 Diamond Mandala: Other Dimensions

18 Faces of Angkor: Ancient Wisdom

19 Swallow the Sun:Dreams and Visions

  • 太陽

20 Traveler’s Prayer: Curiosity, Adventure

21 Hexahedron, Cube: Substance, Order, Stability

  • 正六面体

22 Andean Shaman: Welcome, Vessel

23 Mountain Apus: Sacred Places, Earth Energies

24 Stone Stories: Messages, Listening, Hearing

25 Apsaras Hands: Achievement, Completion

  • アプサラス
  • スイレン

26 Antakarana: Bridge

  • アンタカラーナ

27 Purification Meditation: Purification, Forgiveness

28 Piercing the Veil: Self-Awareness, Seeking Wisdom

29 Mermaid Hearts: Friendship, Laughter, Play

  • カメ
  • マーメイド(人魚)

30 The Freedom of Love: Universal Love, Unity Consciousness

  • 星状十二面体

31 New Beginnings: Breath, Prana, Birth

32 Night into Day: Graceful Transitions

  • タカ
  • フクロウ

33 Pele’s Summons: Regeneration, Transcendence, Excellence

  • ペレ

34 Gentle Spirits: Simply Being

  • ウミガメ

35 Dodecahedron: Divine Thought

  • 正十二面体

36 Garden of Delights: Surprises

  • ドラゴンフルーツ

37 Emissaries of Love: New Children

38 Gratitude Appreciation: Thankfulness

39 Spirit Kin: Courage, Transformation

  • ピューマ(クーガ)

40 Peace Offering: Live Peace, Pray Peace

  • ハト

41 Compassionate Pele: Compassion, Emotional Maturity

  • ペレ

42 Rainbow DNA: Conscious Evolution

43 Sanctuary: Refuge, Renewal

  • ハト

44 Spiraling into Love: Intimacy, Communication

45 Passionflower: Appreciation, Awareness

  • トケイソウ

46 The Lesson: Holographic Information

47 Fruit of Life: Abundance, Manifestation

  • スイレン

48 Heart Torus: Intelligence of the Heart

  • トーラス
  • 心臓(ハート)

49 Green Torus: Acceptance, Trust

  • トーラス

50 Wheels of Light: Chakras, Energy Centers

51 Healing Waters: Flow, Cleansing, Healing

52 Elemental Embrace: Elemental Forces, Synthesis

53 Infinite Wisdom: Wisdomkeepers

  • クジラ

54 Octahedron: Nourishment, Air

  • 正八面体。

55 Octomotion: Flow, Flexibility

  • タコ

56 Above the Storm: Dynamic Action, Clarity

57 Icosahedron: Perspective, New Beginnings

  • 正二十面体

58 Gaia Grid: Earth Wisdom, Fellowship

59 The Secret Garden: Safety, Protection

  • ジャガー

60 Together We Fly: Growth, Freedom

  • トンボ

61 Heart Woman: Inner Knowing, Integrity

  • スイレン

62 Shadow and Grace: Contrast, Choice

  • カラス

63 Jade Meander: Harmony, Beauty

  • チョウ
  • ひすい
  • 曲道(meander)

64 Receiving: Readiness, Receptivity

コメント

タイトルとURLをコピーしました