ネズミ【細かいこと、洞察、集中、注意、精査、サバイバル】

動物

Mouse。ネズミは小さく、かわいい見た目をしているが人間にとっては古くから害獣として扱われてきた生物である。その嫌われようは、Googleで「ネズミ」と検索した1ページめは、ほとんどが「駆除の依頼」ページだることからもうかがわれる。また、それほど問題となる生物でもあるのだ。

ネズミは、世界中のほとんどあらゆる場所に生息している。ほとんどの種が、丸い耳、とがった鼻先、長い尻尾という、よく似た外観をしており、外観から種を見分けることは難しい。

ネズミのほとんどが夜行性である。ネズミの特徴的でもある前歯は、一生伸び続けるというげっ歯類の特徴を持っているため、常に何か硬いもの(必ずしも食物ではなく)をかじって前歯をすり減らすという習性がある。仮に、硬いものをかじらずにそのまま放置しておくと、伸びた前歯が口をふさぐ形になり、食べ物が口に入らなくて餓死してしまう。ネズミは繁殖力が旺盛であることが知られ、象徴的には「子孫繫栄」の意味を含むとされる。

人類にとって、ネズミは収穫した後の穀物を食害したり、家財を損なう害獣として古くから認識されている。農作業において、自然の鳥や獣が時折、田畑の作物を食べにくるのは自然なことであり、人間が自然の恵みによって食料を得ているという意識のもとでは、そうした鳥獣は必ずしも殺して駆除すべき対象ではなく、基本的に追い払うだけであった。しかし、収穫後の穀物は自然と切り離された人間の所有物であり、それを食べるネズミは大事な物を盗み取っていると見なされ、古今東西忌み嫌われてきたとされる。

アリストテレスの『博物誌』では、農作物に害をなすことが述べられているとともに、塩を舐めているだけで交尾をしなくても受胎すると考えられていて、この時代(古代ギリシャの時代)からすでに繁殖力が強いことが知られていた。

中世(5世紀~15世紀)ヨーロッパでは、ネズミは不吉の象徴であり、ペストなどの伝染病を運んでくると考えられていた(実際に、ペストを媒介する生物である)。また、ネズミはゾウの鼻に入って窒息させるとされ、「ゾウはネズミが天敵」と信じられていた。事実として、ネズミは自分よりも体の大きな生き物であっても襲うことがあるためである。

ドイツの民話『ハーメルンの笛吹き』では、ネズミはハーメルンの街を荒らす不吉な存在として描かれている。笛吹き男は笛の音によって、ネズミの群れをおびき寄せ、河で溺死させ退治した。報酬を出し渋る街の住民に怒った笛吹き男は、笛の音によって子供たちをすべてさらってしまうという物語である。

ネズミは、十二支の第1番目、子(ね)に割り当てられた。ネズミの生態に因んで、子孫繁栄などの願いが込められている。

ネズミに関する言葉や慣用句には、その生態から「こそこそと悪事を働く者」「泥棒」「小さい者、小物」「どんどん殖えていくもの」「子孫繁栄」などの意味が込められる。例えば、窮鼠猫を噛む(追い詰められた弱者が、強者に対し必死に反撃すること)、袋の鼠(追い詰められて逃げることができない状態のこと)など。

近年では、ディズニーのミッキー・マウスをはじめ、キャラクターとしても数多く登場しているため、なんとなくなじみのある、かわいいという印象の動物になっているが、病原菌などを媒介したり、害獣としても問題はなくなったわけではないので、見かけたら注意が必要である。けっして触ったりしないこと!

オラクルカードでは、その小さい見た目と細かな動きがポイントで「細かいこと」「(細かい)洞察」「(細部に至る)集中」「注意」「精査」、そしてどこにでも現れることから「サバイバル」の象徴として登場する。

キーワード

細かいこと、洞察、集中、注意、精査、サバイバル

関連するシンボル

ネコ

言わずと知れたネズミの天敵。アニメ『トムとジェリー』も、ネコのトムとネズミのジェリーが主役となっている。神話では、干支を決める競争の際、ネズミがネコに間違った日程を伝えて騙し、ネコは干支に参加できなかったことから、ネズミを恨んでいるともされる。

大国主命

『古事記』には、大国主命とともにネズミが登場する。大国主命は、スサノオ命から3番目の試練として、荒野に向けて放った鏑矢を取って来るように言われる。矢を探して野の中に入ると、スサノオ命は野に火を付け、大国主命は野火に囲まれて窮地におちいる。その時、一匹のネズミが現れて「内はほらほら、外はすぶすぶ(内はホラ穴だ、外はすぼんでる)」と告げる。その言葉を聞いた大国主命が、その穴に隠れて火をやり過ごすと、ネズミは探していた矢をくわえて持って来た。こうしてネズミの助けにより、大国主命はこの試練を乗り切ることができたという物語である。

大黒天

仏教の神である大黒天は、後に大国主命と習合して、七福神としても祀られるが、ネズミを使者としている。ネズミが使者とされる理由については、一般に、大黒天の乗る米俵や、ネズミが大国主命を助けた事に由来するといわれている。

登場するオラクルカードデッキ

『The SPIRIT ANIMAL ORACLE』 By Colette Baron-Reid

40.ネズミのスピリット(細かいところまで気を配りましょう。)

ネズミは小さな体でどこにでも入り込むことができ、小さな部分も見逃さない。このカードは、ささいなことも見逃さないように、というメッセージが込められている。ネズミのように、小さなチーズのひとかけらも見逃さないように行動していれば、自ずとチャンスがつかめるのかもしれない。このカードを引いたときには、少しだけ細かいところをみるように意識してみるいいでしょう。ラッキーなひとは、自分のことをラッキーだと思っている人であり、それに気がつくためにはささいなラッキーを見落とさないことが重要である。ただし、これは完璧主義とは違うことに注意したい。完璧にこだわりすぎて動けなくなってしまうのは本末転倒である。気軽に、細かくみる、という意識をする。それだけで十分です。

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