ゾウの象徴と意味【驚くべき知識、優しさ、幸福、障害物の除去、嗅覚】

動物

Elephant。陸上において、現生する最大の哺乳類であるゾウは、動物園でも老若男女問わず人気者である。何回みても、その大きさには驚かされ、感動する。また、賢く、芸を覚えることでもよく知られている。

ゾウは、長い鼻と大きな耳が特徴である。首が短く、立ったままでは口を地面に付けることができないので、膝をついてしゃがむか、筋肉質の長い鼻を使って食べ物や水などを口に運ぶ。鼻を使って水を体にかけ、水浴をすることもある。この鼻は上唇と鼻に相当する部分が長く発達したものであり、先端にある指のような突起で豆粒のような小さな物から、豆腐といった柔らかく掴みにくい物までを器用に掴み取ることができるといわれている。また、その長い鼻は嗅覚に関しても優れており、鼻を高く掲げることで遠方より風に乗って運ばれてくる匂いを嗅ぎ取ることができる。さらに聴覚も優れている。視力は、多くの哺乳類と同様に緑色の知覚に劣る二色型色覚であるが、夜の薄明かりでも視力が維持されるとされている。

メスと子供で群れを形成し、オスは単独かオス同士で別に群れを形成して生活する。大きな体のため、成体のゾウが襲われることは少ないが、敵がいないという訳ではなく、アフリカではライオン、インドではトラが、主に若いゾウや幼獣を襲うことが確認されている。そのため、群れの成獣たちは常に幼獣の周囲を取り囲んで、これらの敵から身を守っている。その巨体に見合わず40km/h程度で走ることが可能であり、四足動物の中で唯一、速度調節の際に前後全ての足を駆使して加速・減速を行っている。

寿命は60歳から70歳で、20歳ほどで成獣になる。哺乳動物の中で最も妊娠期間が長く、約22カ月に及ぶ。普通、2年から4年ごとに子どもを一頭産む。

人間には聞こえない低周波音で会話しているといわれ、その鳴き声は最大約112dBもの音圧(自動車のクラクション程度)があり、最長で約10km先まで届いた例もある。さらに、ゾウの足の裏は非常に繊細であり、足を通して低周波を捕えられることも確認されている。

ゾウは体温調整として、耳をばたつかせ、泥浴びなどによって体温を下げる。

ゾウは、主に草・葉・果実・野菜などを食べる。ミネラルをとるために泥や岩塩などを食べることもある。1日に150kgの植物や100Lの水を必要とし、野生個体の場合はほぼ1日中食事をとっている。

人間を見分けることもできるほどに高い認知能力を持っているといわれており、例えば飼育下では優しく接してくれた人間に対しては甘えたり挨拶したりするが、逆に自らや仲間に危害を加えた人物に対しては非常に攻撃的になる。また、人の言語の違いを聞き分けられるとも言われ、象を狩っていたマサイ族の言語を非常に警戒したとの報告もある。また、群れの仲間が死んだ場合に葬式ともとれる行動をとることがあるとされ、死んだ個体の亡骸(なきがら)に対し、周りに集まり鼻を上げて匂いを嗅ぐような動作や、労わるように鼻でなでる等の行動をとった記録がある。これらの行為が持つ意味については疑問点や未解明の部分も多いが、いずれにせよかなり優れた記憶力や知能を持つと推察されている。近年では、ゾウには鏡映認知(鏡に映った自身を自身と理解する能力)があることが判明した。

オラクルカードにおいては、その高い知能と仲間思いな動物であることから「驚くべき知識」「優しさ」「幸福」「家族」、また長く、器用な鼻を持つことから「障害物の除去」や「嗅覚」といった象徴として登場する。さらに「性的な力」の象徴としてもみられることがあり、漫画『クレヨンしんちゃん』の「ゾウさん」という行動は、象徴的には間違っていないということでもある(現代では倫理的にアウトとされている)。

キーワード

驚くべき知識、優しさ、幸福、障害物の除去、嗅覚

関連するシンボル

ガネーシャ

ヒンドゥー教の神ガネーシャは、障害を取り除く神、はじまりの神、幸運の神であり、頭がゾウであることで知られています。実の父であるシヴァ神に頭を切り落とされたガネーシャは、その変わりにと、ゾウの頭を与えられたのでした。日本でも『夢をかなえるゾウ』という、ガネーシャ神が助けてくれる物語のシリーズ本がヒットし、とても人気のある神様でもあります。

普賢菩薩(ふげんぼさつ)

普賢菩薩は、仏教における崇拝の対象である菩薩の一尊である。文殊菩薩とともに釈迦如来の脇侍(信仰の中心となる仏の左右に控える菩薩)として祀られることが多い。普賢菩薩は、仏の慈悲と理智を顕して、人々を救う賢者であるとされ、六牙の白象(ゾウ)に乗ってあらゆるところにあらわれ、衆生を救うと説かれている。

普賢菩薩像(伊藤若冲筆(相国寺蔵))

ネズミ

「ネズミはゾウを殺す」(ゾウの鼻にネズミが入り、窒息させる)ともいわれ、体の大きさから対照的な動物として描かれることが多い。ディズニー映画『ダンボ』に登場する主人公はゾウのダンボだが、それを支えたのは友達のネズミのティモシーであった。対照的なふたりが協力するところにも、この映画の面白さがあるのかもしれない。

ティモシー・Q・マウス

登場するオラクルカードデッキ

『The SPIRIT ANIMAL ORACLE』 By Colette Baron-Reid

25.ゾウのスピリット(過去から学ぶ。)

ゾウの「賢い」という性質にフォーカスされているカード。真の「賢さ」とは、何でもすぐにできるということではなく、過去にあった経験からちゃんと学び、同じ間違いをできるだけ犯さないということである。それを繰り返していけば、自分の行動パターンを修正し、正しい行動を選び取っていくことができるようになっていく。ゾウが現れて、その賢さを与え、そして障害物を取り除くことで、前に進む勇気を与えてくれる。ゾウは大きく強いのだ。その賢さも、強さも、自分のなかにちゃんとある。だからこそ、それを使うようにとゾウがカードで現れてきたということができる。

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