Bee。ここでは「カリバチ」と区別するために「ミツバチ」とし、「カリバチ」以外の一般的なハチのことをまとめている。ミツバチは、はちみつや蜜蠟の原料を集めることでお馴染みの小さいほうのハチである。ミツバチはめったに人を刺すことはないが毒針を持っている。
ミツバチは社会性昆虫であり、血縁個体からなる集団(コロニー)を形成して生活する。ミツバチの働きバチは、受精卵から発生する2倍体(2n)であり全てメスである。通常メスの幼虫は主に花粉と蜂蜜を食べて育ち、働きバチとなるが、働きバチの頭部から分泌されるローヤルゼリーのみで育てられたメスは、交尾産卵能力を有する女王バチとなる。一方、ミツバチのオスは未受精卵から発生する1倍体(1n)であるが、巣の中では働きバチに餌をもらう以外特に何もしない。働きバチに比べて体が大きく、働きバチや女王バチよりも複眼と単眼が非常に発達していることが外見上の特徴とされる。
ミツバチの成虫の寿命は、女王バチが1~3年(最長8年)、働きバチが最盛期で15~38日、中間期は30~60日、越冬期が140日、オスバチは21~32日である。
ミツバチは蜜源を見つけると巣内の垂直な巣板の上で独特のダンスを行い、仲間に蜜源の方向と距離を伝える。これは本能行動の例として高校の教科書などでも使われている。ミツバチのダンスは蜜源の場所という具体的な情報をダンスという抽象的な情報に変換して伝達が行われるため、記号的コミュニケーションであると考えられている。また、蜜を持ち帰った働きバチは、貯蔵係のハチに蜜を渡すが、そのとき貯蔵係は糖度の高い蜜を優先して受け取り、糖度の低い蜜を持ったハチは待たされる。このことによって、よりよい蜜源へ働きバチを集中的に動員できる。
ミツバチの巣板は、中空の六角柱が平面状に数千個接続した構造である。このような構造をハニカム構造とよばれている。強度に優れ、材料が最少で済むという特徴がある。六角柱は厚さ約0.1mmの壁でできており、奥行きは10〜15mmある。底部は三角錐である。巣板の材料はミツバチの腹部にある蝋腺から分泌された蜜蝋である。幼虫を育てるために使用する穴の奥行きは10〜15mmであるが、蜜を貯蔵するために使用する穴の奥行きはバラツキが大きく20mm程度に成る場合もある。
ミツバチは、知的な生き物であることが示されている。彼らは無(ゼロ、0)の概念を理解し、簡単な計算を行うことができ、人間の顔(そしておそらく蜂の顔も)を区別することができるといわれている。採食に成功しているときは楽観的だが、捕食者のクモに一瞬でも引っかかると気分が落ち込み、クモから逃れたあとでもミツバチの態度は一変し、その後数日間はどの花にも怯えるようになるとされる。
オラクルカードにおいては、社会性昆虫であることが「コミュニティ」「コミュニケーション」「仲間」「つながり」の象徴として登場する。
キーワード
コミュニティ、コミュニケーション、仲間、つながり
関連するシンボル
アリ
オラクルカードに登場する昆虫として、ハチと同じく社会性をもつ生き物であるアリがいる。両者の違いとしては、ハチのほうはグループ全体の動きに注目され「社会」「仲間」の意味が強いが、アリは2人以上の「コラボ」や「協力」といった意味として使わることが多い。ハチのほうがまとまって、一致団結して動くことが多いという見方があるのかもしれない。
登場するオラクルカードデッキ
『The SPIRIT ANIMAL ORACLE』 By Colette Baron-Reid
「甘い結果が待っています。」という言葉が書かれていることから、ミツバチのはちみつに関連していることがわかる。しかし、はちみつを得るためには、多くの仲間たちとの協力が不可欠である。あの小さな体のハチたちが、自分の肢なり口に入れて運ぶことのできるはちみつ(エサ)の量はとても限られたものである。私たちが食べるようなはちみつの量に達するためには、どれだけの協力が必要であろうか。このカードは、ミツバチのカードであることから、その協力の大切さも示している。つながりを大切にして、仲間たちと協力した結果として、甘いものを得ることができるのである。
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